こんばんは。
今日はチームのマネジメントについて考えていきたいと思います。
なぜ急にこんなことを書こうと思ったかというと、私の直属ではないのですが、職場にこんなことを言ってる課長がいたからです。
「俺あんまり細かく指示は出さないタイプなんだよね」
そのセリフにすごく違和感を覚えました。まぁこのブログを読まれる方はそのセリフを言ってた課長のことを見たことないからそうでもないかもしれないです。
まぁ悲しいかなうちの会社はそこまで上司と部下の関係がそこまで深くないし、その方もそれでいいと思っているのだと思うのですが、私の考えは少し違います。
今日考えたいのは10人程度のチームのマネジメントについてです。先述の課長の発言に感じたモヤモヤを整理しながら吐き出していこうと思います。
マネージャーのタイプ
私の考えでは、マネージャーのタイプは大きく2種類に別れます。
①何でも一緒にやるタイプ
部下と一緒に悩み、営業先には極力一緒に付いて行き、部下と多くの行動を共にしていくタイプです。
②部下の自主性に任せるタイプ
あまり細かく指示したり、一緒にやったりはせず、部下からの報連相を元にコミュニケーションをとっていくタイプです。
私は、どちらのタイプが一概に優れているとは思いません。部下の性格やレベルによって、最適なタイプが変わってくると思うからです。
部下が新入社員や、自分に自信が持てないタイプだった場合、①のスタイルで少しずつ成功体験を積ませて1人立ちさせていくのも重要だと思います。
ただ、①はマネージャーにかなり負荷がかかりますので、将来的には②を目指していくのがチームのパフォーマンスとしては高くなっていくはずです。
マネージャーの役割
先述の課長は自分は②のタイプだということが主張したかったのだと思うのですが、②のタイプに絶対不可欠な役目を彼は遂行できていないと私は感じていました。
これは、①のタイプにとってももちろん重要なことで、すなわち私にとって人の上に立つ人間に最も重要な仕事だと思うことです。
それは、
「大きなビジョンを示すこと」 です。
ビジョンの形は人それぞれですが、抽象的な表現で多くの判断の指針にできるようなものであることが望ましいと思います。
部下は、業務の中で迷いが生じた時はそのビジョンを行動・判断の軸にするのです。
マネージャーが一挙手一投足まで指示をする必要はありません。
たとえば、本で読んだことの受け売りなのですが、少し昔の話で松下電器がホームベーカリーを開発した時のこと。
事業部をまたいで集まった、様々なバックグラウンドを持つプロジェクトメンバーたちに、リーダーから「イージーリッチ」というコンセプトが与えられました。
開発の指針として、抽象的な言葉ではありますが、とても明快ですよね。
開発の過程における様々なアイディアは、このコンセプトに合うかどうかを基準に取捨選択されていくのです。
このように、マネージャーは全ての事柄に指示を細かく出す必要は全く無いと考えています。
しかし、メンバーの行動の指針となるコンセプトを示し、チームの進む方向の舵を取るのはマネージャーに必須の役割だと私は考えています。
メンバーが進む方向が、ビジョンとズレるようであれば、「それは本当にビジョンに合っているか?」という問いかけを以て、チームの進路を正さなくてはなりません。
そのためには、日頃からメンバーと積極的にコミュニケーションをとる必要があります。
近年1on1という言葉もよく聞かれるようになりましたが、細かい指示を出す必要はありませんが、細かいコミュニケーションはメンバーとビジョンを統一するために必要であるというのが私の見解です。
まとめ
ビジョン(指針)の決定と浸透がマネージャーの重要な役割と述べました。
もちろん、マネージャーの役割はこれだけではないです。部下のスキルアップ、社内外との調整など、多岐に渡ります。
しかし、私はこのビジョンを示すということができているか否かが良いマネージャーの条件であると考えています。
ビジョンを示さずに②のスタイルでやっている人は、単純にマネジメントを放棄しているだけです。
マネージャーが示すビジョンは、会社という組織の中であれば、当然会社の方針にマッチしたものであることは前提です。そのうえで、マネージャーが会社の方針をチームのビジョンに落とし込み、分かりやすくかつ抽象的な言葉でメンバーに伝えるのです。
「抽象的な言葉」というのも重要です。あまり具体的すぎると、汎用性が無いうえに、部下の行動を縛ってしまいます。先述の「イージーリッチ」はまさに抽象的ですよね。抽象的であるがゆえに、どのような種類の判断にも基軸となりうるのです。また、抽象的であるがゆえに、部下の行動を過度に縛らず、自由な発想を促すのです。
部下は理屈だけでは動きません。大義を持ったビジョンに共感してこそ、部下の自主的な取り組みと最大限の力を引き出せるものと信じています。
偉そうなことを書いてきましたが、私は現在部下を持ってマネジメントする立場にはありません。
しかし、以前にマネージャーを勤めていた経験と、人事という仕事について勉強する過程の中で、日常の会話のふとした違和感から今回の記事を書くに至りました。
私はまたいつか部下を持つ時は、部下にビジョンを示し、共感を得ながら部下の力を引き出せる上司でありたいと思っています。
ただ、実体験からこれは本当に難しいことです。こうして文章にしたはいいものの、私も実践できるかは自信はありません。ですが、実践すべきであるということは自信を持って言えます。
私自身も今後も研鑽を重ねると同時に、わが社に1人でも部下にビジョンを示せる上司が増えるように、私にできることを進めていきます。
おわり
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