【5分で読める労働判例】パナソニックプラズマディスプレイ(パスコ)事件~偽装請負~

パナソニックプラズマディスプレイ(パスコ)事件の概要

A社はプラズマディスプレイパネルの製造を行うY社(被告)との間で業務委託基本契約を結んでいた。X(原告)はY社の従業員の指示を受けてY社の工場の作業に従事していた。 XはY社での勤務実態は請負ではなく労働者派遣であると告発。Y社は是正指導を受けたため、デバイス部門における請負契約を労働者派遣契約に切り替えた。 XはA社を退職したが、Y社と交渉の末に有期雇用の直接契約を結んでY社の社員となった。しかし、Y社は半年間の契約期間満了によってXとの雇用関係は終了したとしてその後のXの就業を拒絶した。 これに対してXは、労働者派遣法40条の4(後ほど解説)に基づきYには直接雇用の申込義務があり、期間の定めのない雇用契約が成立しているとして、雇用終了は解雇権の濫用にあたると訴えた。 最終的にはXの訴えはほぼ棄却されている。

パナソニックプラズマディスプレイ(パスコ)事件のポイント

まず、上述の「労働者派遣法40条の4」はザックリ言うと派遣元で有期雇用されている派遣労働者を1年以上継続して同じ業務に従事させようとする場合は、派遣先は直接雇用する努力をしないといけない、ということ。 そもそもXは「業務請負」としてY社で働いていたが、実態は指揮命令を受けており、いわゆる偽装請負(違法派遣)の状態であったというのも訴えの一つである。これに関しては最高裁はその事実を認めている。 しかし、違法派遣であったからといってもXは給与等の管理はあくまでA(派遣元)から受けており、ただちにXとY社との間の直接雇用契約が認められるものではないとしている。 最終的に最高裁は請負契約を装った違法派遣であることは認めたものの、それによる労働者派遣法40条の4の適用は認めていない。 しかし、2012年の法改正により、労働者派遣法40条の6が追加された。 ここでは一定の違法派遣の場合には派遣先が労働契約の申込をしたこととみなされ、労働者が承諾すればそれで直接雇用契約が成立するとされている。 ただし、偽装請負には「法律の規定の適用を免れる目的」で役務提供を受けたという要件があり、この解釈によっては40条の6の適用範囲が狭くなりすぎる恐れがある。   おわり

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