「うちのオカンがな、最近なんかの統計データを見たらしいんやけど、その統計の名前が思い出せへんらしいのよ」
「ほな俺も一緒に考えてあげるからさ、オカンの見た統計の特徴がどんなんやったか教えてよ」
「オカンが言うにはな、2020年の完全失業率は2.8%で、0.4%上昇してたらしいんよ。これは11年ぶりに上昇したんやって」
「ほー…労働力調査やないかい。労働力調査は日本の就業・不就業の実態を把握するために、全国約4万世帯を対象に総務省が毎月行ってる調査なんやで。ちなみに完全失業者っていうのは、各月の月末の1週間に収入を伴う仕事を1時間以上行わず、就業が可能で、求職活動中の人のことを言うんやで。完全失業者数も29万人増加して191万人になったし、コロナの影響が出てる感じするな。完全失業率が入ってるならもう労働力調査に決まりよ!すぐわかったやんこんなもん!」
「俺も労働力調査やと思ったんやけどな、オカンが言うには、2020年度の有効求人倍率が1.10倍やったらしいのよ」
「ほな労働力調査と違うか~。労働力調査には有効求人倍率は入ってへんからね。有効求人倍率が入ってるなら、それは一般職業紹介状況よ!1.62倍(2018)→1.55倍(2019)→1.10倍(2020)に下がっていってるから、これもやっぱりコロナの影響なんやろな。ちなみに直近のデータでもこの有効求人倍率はまだ回復してへんかったで。ちなみにちなみに有効求人倍率は職安に出して有効期間(3ヶ月間)内の有効求職者数に対する有効求人数の割合のことやで。有効求人倍率が入ってるということは労働力調査と違うなぁ。オカン、もうちょっと他に何か言うてなかった?」
「オカンが言うにはな、2020年平均の就業者数は6,676万人で前年から48万人減少してたらしいんよ」
「労働力調査やないかい。就業者数を調べてるのは労働力調査よ。やっぱコロナの影響で軒並み下がってるんよね。けどそんな中でも65歳以上の就業者数は前年から増加してるのは、個人的にはけっこう注目ポイントやったよ。まぁ当たり前と言えば当たり前な気もするけども。その特徴はもう労働力調査で決まりよ!」
「俺も労働力調査やと思ったんやけどな、オカンが言うには、現金給与総額は318,387円で実質賃金は前年比1.2%減やったらしいねん」
「ほな労働力調査と違うか~。賃金に関することは労働力調査には入ってないからね。それがあるのは毎月勤労統計調査やな。実質賃金ってなんか下がってるらしいことは知ってたけど、これ見ると”ガチなんやな…”って感じられるで。ちなみに毎月勤労統計調査では労働時間の調査もしてるけど、それによると一般もパートも含めた所定外労働時間の平均は9.2時間/月らしいで。前年比13%減なのはやっぱコロナの影響なんかな。俺が毎月40時間とか残業してるのにこの統計何か間違ってるんちゃうかな……とにかく!それやったら労働力調査とは違うな。オカン、他には何か言うてなかった?」
「オカンが言うにはな、2020年の労働力人口は6,868万人で、前年より18万人減少(8年ぶり)してたらしいねん。」
「労働力調査やないかい。労働力人口って聞き馴染みのない人もいるかもしれんけど、就業者と完全失業者を足した数やで。ちなみに労働力人口比率っていう数字もあって、これは全人口に対する労働力人口の比率な。これは2020年は62%やって、年々上昇傾向にある数字やで。国としては労働力人口をなんとか保とうとしてるけど、全体の人口は減っていってるから、まぁそうなるのは当たり前と言えば当たり前やな。そんなんもう労働力調査で決まりよ!」
「俺も労働力調査やと思ったんやけどな、オカンが言うには、年次有給休暇の取得日数の平均は10.1日で、取得率の平均は56.3%やったらしいねん」
「ほな労働力調査と違うか~。年次有給休暇の取得日数や取得率が入ってるのは、就労条件総合調査やからね。ちなみに俺の昨年の有給取得率は全国平均より低かったで!(泣) ちなみにこの調査で出ているデータを他にも見てみると、何らかの週休2日制を採用している企業の割合は82.5%、完全週休2日制の企業は44.9%やで。ちなみに弊社は完全週休2日制で、それに関してはありがたいな。あと変形労働時間制を採用している企業は59.6%な。弊社は変形労働時間制は稼働日数調整のために年によっては採用する時もあるで。ほな労働力調査と違ったなぁ。オカン、他には何か言うてなかった?」
「オカンが言うにはな、女性の労働力率を年齢階層別にみると、出産・育児期に低下し、育児終了後に高まる、M字型カーブを描くらしいねん」
「労働力調査やないかい。出産・育児期でも継続的に働く女性は年々増えてきているから、このM字型カーブはゆるやかになってきてはいるけど、M字型カーブ解消の取り組みは欧米とかの先進国に比べると日本はちょっと遅れてるで。M字型カーブ解消について詳しく書き出すと時間も文字数も足らんから書かんけどな!そんなんもう労働力調査に決まりよ!」
「俺も労働力調査やと思ったんやけどな、オカンが言うには、2020年中に一人当たり平均賃金を引き上げる・引き上げた企業の割合は81.5%やったらしいねん」
「ほな労働力調査と違うか~。労働力調査に賃金に関することは書いてへんからね!そのデータが入ってるのは賃金引上げ等の実態に関する調査やんか!81.5%ってぱっと見で結構高い数字やなって思ったけど、前年は90.2%やったみたいやからやっぱりこれもコロナの影響しっかり出てるんやね。ちなみに引き下げる・引き下げた企業は前年0.0%から2020年は2.1%やったみたいやで。ちなみにちなみに企業が賃金の改定にあたって最も重視する項目は企業の業績が50.2%で断トツのトップやで。弊社もやっぱり業績に影響はあったけど、ほぼ例年通りに引き上げてもらえてるのはいち労働者としてはありがたい限りやな。ほなやっぱり労働力調査とは違うなぁ。オカン、他には何か言うてなかった?」
「オカンが言うにはな、完全失業率は15~24歳が全年代で最も高いらしいねん」
「やっぱり労働力調査やないかい!労働力調査の完全失業率は15歳から10歳刻みで年代ごとにも集計されてるんやけど、一番高い年代は15~24歳で、2020年は4.6%やったで(全体は2.8%) 長期的に見たら他の年代との差は埋まっていってるみたいやけど、15~24歳がトップなのはほぼほぼ毎年の傾向やで。やっぱり労働力調査よ!それはもう労働力調査で決まりよ!」
「けどオカンが言うには、労働力調査ではないらしいねん」
「…オカンがそういうなら労働力調査と違うやろ。俺が労働力調査のこと説明してる間どんな気持ちやったん…?」
「申し訳ないなと思って」
「労働力調査じゃないんやったらほんまにわからへんやないかい。いったい何の統計やったんかな」
「オトンが言うには、家計消費状況調査ちゃうかって」
「絶対ちゃうやろ!もうええわ!」
「どうもありがとうございました~」
(参考URL)
総務省統計局:https://www.stat.go.jp/index.html
厚生労働省統計一覧:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/index.html
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