MBO?OKR?私が思う理想の目標管理

本記事のテーマはタイトルの通り、目標管理について考えてみたいと思います。

というのも、先日たまたまある方と少しだけ目標管理の話をして、そういえばあんまりちゃんと考えたことなかったなあと思ったのがきっかけでした。以前に読んだMBOやOKRに関する書籍も軽く読み返してみて、「私が思う理想の目標管理」について書いてみようと思います。

MBO?OKR?

まず、目標管理と言えばこの二つのワードがよく知られているのではと思うのですが、この二つについて説明や私の考えるところなどを。

MBO(Management By Objectives)・・・直訳すると「目標による管理」って感じでしょうか。ちょっと不自然なので、「目標を活用した管理」といったように訳した方が適切かなと思います。イメージ的には、目標となる数値指標や評価項目を設定し、その達成を目指してマネジメントしていく、というようなものですかね。

OKR(Objectives and Key Results)・・・Objectivesすなわち「目標」(定性も可)とKey Resultsすなわちカギとなる結果指標(定量)をいくつか設定し、その達成を目指してマネジメントしていく、というようなものですかね。

すごくザックリ書きましたがここから読み取れる違いと言えばMBOが基本は定量的な「目標」のみを設定するのに対して、OKRの方でいう目標は定性的なものが許されているというところですかね。まあ、他にも細々した違いはいろいろあるみたいです。

ここで私の違和感を表明したいと思うのですが、OKRに関する書籍やら資料を見ると、「MBOではダメダメ」みたいな論調がちょくちょく見られます。ただその時に挙げられてるMBOのダメな点ってそもそもMBOの基本的な考え方が分かっていない、もしくは分かっているけど実践できていないからこそのものな気がするのです。

例えば、「MBOは評価のツールとして使われてプレッシャーを与えているだけ」とか、「レビューの機会が少ない」とか。MBOってそもそもそういうものではないと思うんですよね。どちらかというと理解と運用のところに問題がある気がしてなりません。

そして、その問題を取り除くことができれば私はMBOとOKRに大きな差は無いと思っています。まあ、MBOに対する凝り固まった固定観念を一回アンラーニングする意味ではOKRという言葉を使うのが良いのかもというぐらい。

「組織の目標にリンクした個人の目標を設定し、その達成に向けて努力することで、業績向上や人材の成長を促す」

という意味ではまあどっちも一緒だし、細かい手法は両方参考にしながら自社にベストと思われるものを選択すれば良いんじゃないと思う次第です。この考えを踏まえて、以降は「目標管理」という言葉を使うことにします。

「目標」と「ノルマ」の違い

で、話は変わりますがこれも結構大事だと思うんですよね。

目標はともかく、「ノルマ」という言葉にはかなりマイナスなイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。必達のものとされ、厳しく追及されて締めあげられるようなイメージですよね笑

目標管理において「チャレンジングな目標を立てる」というのは非常に重要です。簡単に達成できるようなものでは目標とは呼べませんよね。ですが、目標がチャレンジングであればあるほど、当たり前ですが達成は困難になり、プレッシャーが大きくなります。そうなってきて、本人を委縮させてしまうようでは逆効果です。

では、「ノルマ」と「目標」の違いとは何でしょうか?

私の考えでは「ノルマ=トップダウン」、「目標=ボトムアップ」です。

ノルマは基本的には上司から押し付けられるものです。そこに部下の意志の介在する余地はありません。

一方、目標もボトムアップとはいえ100%部下が自由に決めるかというとそうではありません。組織の目標と個人の目標がリンクしていることは必要ですので、それは守らなくてはなりません。

では、どうすればリンクするのか。

組織の大きな目標があって、それを細かくブレイクダウンしていって個人の目標にまで落とし込む。たしかにそうすればリンクはします。ですがそれでは完全にトップダウン、つまりノルマになります。

ではどうするか。

私の前職はアメーバ経営を導入していました。アメーバ経営の説明はここでは割愛しますが、小集団にかなり大きな権限が与えられた組織とお考えください。この時の目標設定は私はかなり好きでした。

まずは会社全体での大きな目標が決まり、それが機能別組織ごとぐらいにブレイクダウンされます。ここで末端まで細かくは砕かないのがポイントです。

個人ごとの目標はあくまで自分で設定します。

これがボトムアップのポイントです。何を目標とするか、具体的な数値まで自分で考えます。

その後、上司と一緒に対話しながら「この目標の達成が組織の目標の達成に繋がるのか」を徹底的に議論します。繋がらないと判断されたのであれば、部下が自ら修正します。正直大変ではありますが、このプロセスを経て、「自分の意志で決めた」かつ「組織目標とリンクした」目標を設定することができるのです。

この、自主的に設定した目標をしっかりと検討するというのは重要です。

目標設定のポイント

他にも、目標設定するときに私が大事だと思うポイントを列挙してみます。

数値であること

目標設定は必ず数値で行うこと。基本ですが、意外と守れてないこともあるかと。数値でなければ、達成したのかどうか分かりません。結果として、評価が曖昧になってしまいます。「~をする」みたいな目標は、ただのtoDoです。

クリエイティブであること

「作業量」に依存しないということです。何も考えずに手を動かし続ければ達成する目標では意味がありません。そもそもそれでは本人がストレッチされていませんし、成長にも繋がりませんよね。何か変化を引き起こさなければ達成できない目標であることは大事です。

道筋が描けること

チャレンジングな目標を立てるのは大事ですが、達成への道筋が描けるものでないといけません。そうでないとただのスローガンで終わってしまうでしょう。なので、目標設定するときにザックリでも達成までのロードマップは作成した方が良いと思います。

人事評価に使うのか?

MBOを批判する文脈で多いのが、人事評価のツールとしてMBOを使用しているものです。

人事評価に部分的に使うことは否定はしませんが、「人事評価のため」に目標管理をするというのは誤った使い方だと感じます。

そもそも本来の目標管理の意図のひとつとして「チャレンジングな目標を設定することで、人の力の最大発揮を目指す」ことがあると思います。

評価に使うのであれば難易度×達成度で評価されるべきですが、達成度を意識して難易度が下がってしまった時点で目標管理の本質から大きく外れていると言えます。更に、目標を自主設定する以上はストレッチ度合いもどうしても個人によってバラつきが出ますし、評価ツールとしてベストとは言い難いです。

かといって全く評価に使用しないというのも違うとは思います。目標の達成に対してはやはり一定の評価は与えられて然るべきです。ただ、それだけを使うのではなくあくまで評価全体の一部として使い、他の評価項目と組み合わせて使いたいです。

1on1との組み合わせ

目標がしっかり設定出来たら、あとは達成に向けて仕事を進めていきますが、1on1と目標管理は非常に相性が良いと私は考えています。

これもMBO批判の文脈でよく言われることですが、「期末になって達成度だけ評価されて、途中経過へのレビューが無い」というものがあります。それなら途中経過のレビューを作ればいいのです。

定期的な1on1ミーティングで、目標に対する今の進捗はどうか、障害にぶち当たっていないか等を上司と相談する機会を作ります。そして、この時上司にとって重要なのは、目標達成がおぼつかないからといってむやみにアドバイスを送らないことです。

これは1on1というかコーチングの基本ですが、「良くない状況に対してどういうアクションを起こすか」という答えは、上司から与えるのではなく部下から引き出さなくてはいけません。

上司から「こうしなさい」という指示を与えると、せっかく自主的に設定した目標が「やらされノルマ」に変わってしまいます。

この1on1によって、上司のサポートの下で部下が自主的に考えながら目標達成を目指すという構図を作り出していくのです。

まとめ

私が思う理想の目標管理の仕組みを書いてきました。

まとめると、

  • ストレッチできる、自主的な目標設定
  • 目標設定段階での徹底的な検討
  • 計測可能でクリエイティブで道筋が描ける
  • 人事評価と結び付けすぎない
  • 定期的な1on1による軌道修正

こんなところですかね。

自社でもまだできていないこともあるので、自分の考えも洗練させながら制度に落とし込んでいきたいです。

おわり

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